スヌーピーの活躍する漫画『ピーナッツ』には、「凧食いの木」という口のある木が登場します。
チャーリー・ブラウンとセットで登場する凧食いの木。不気味に笑う凧食いの木とチャーリー・ブラウンに、どんな関係があるのでしょう。
今回は、スヌーピーの漫画『ピーナッツ』に登場する凧食いの木とチャーリー・ブラウンについてご紹介していきます。
凧食いの木が登場する理由もわかっちゃいますよ。
スヌーピーに登場する凧食いの木はチャーリー・ブラウンの天敵

チャーリー・ブラウンの凧が引っかかってしまうのが「凧食いの木」です。どれだけチャーリー・ブラウンが注意しても、凧食いの木は、凧を食べてしまいます。
凧食いの木が、チャーリー・ブラウンの凧を食べてしまう漫画です。

タイトルの凧食いの木の口。チャーリー・ブラウンの凧を狙ってそうな感じですよね。
春の凧セールにやってきたチャーリー・ブラウンは、青い凧を購入します。帰り道にいるのは、いつもチャーリー・ブラウンの凧を食べてしまう凧食いの木です。
雪深い冬は凧あげしない『ピーナッツ』の世界。凧あげをしない季節は、凧食いの木でも凧は食べられません。
「冬中ぼくを待っていたんじゃないの?」と警戒するチャーリー・ブラウン。凧を渡さない理由をチャーリー・ブラウンが話す間に、凧食いの木は、凧を吸い上げて食べてしまいます。
凧食いの木に、まんまと凧を食べられてしまったチャーリー・ブラウン。買った凧を1回もあげることもせず食べられ「生のまま凧を食べた」と驚きます。久しぶりに凧を食べた凧食いの木が、満足してるように見えてきちゃいますね。

凧食いの木の好きな食べ物は凧だけど、スヌーピーが好きな食べ物は沢山ありますよ。

凧あげを唐揚げみたいに言わなくても。
たまにしか現れない凧食いの木の口と歯。実は、チャーリー・ブラウンの想像したものと考えられています。

他の人には凧の引っかかってる木にしか見えてないのね。
では、いつから凧食いの木と呼ばれるようになったのでしょうか。
凧食いの木に名前がついたのはいつ?

「凧食いの木」というセリフの初登場は、1965年3月14日。やっぱりと言うべきか、チャーリー・ブラウンが木に凧をひっかけてしまった時の話です。
1本だけある、何の変哲もない木に凧を絡ませてしまったチャーリー・ブラウン。木には糸が絡まっていて、凧は見当たりません。
絡まった凧を返してもらうため、チャーリー・ブラウンは木に説得を試みます。
最初は穏やかに語りかけるも木からの返事はなく、汗を出し真剣な面持ちで叫ぶチャーリー・ブラウン。興奮してくるチャーリー・ブラウンと対照に、相変わらず冷静な木は凧を返す素振りも見せません。
最終的に、ため息をついて諦めるチャーリー・ブラウンのセリフ「凧食いの木(Kite-eating Tree)とは話にならない」に、初めて「凧食いの木」という言葉が登場します。

木に向かって「79セントで買った凧を取り上げる権利はない」って叫ぶのが、何回読んでも笑えちゃう。

交渉が上手くいかなかったのは、チャーリー・ブラウンが興奮したせいかも。
交渉中にチャーリー・ブラウンが興奮してまったのは、過去にも木に凧が引っかかっていたからなんです。
何回も凧を木に食べられるチャーリー・ブラウン

チャーリー・ブラウンが、『ピーナッツ』で初めて凧を木にひっかけたのが1956年4月12日です。
木に引っかかった凧のそばに立つチャーリー・ブラウンの漫画です。
凧が木に引っかかっていることをたずねるヴァイオレット。返事をするチャーリー・ブラウンの表情はムスッとしていますね。木の全体像は出てきませんが、ヴァイオレットの顔の向きから、凧は木の上の方に引っかかってるとわかります。

凧が絡んだこと、高い位置に凧があって届かないから、チャーリー・ブラウンはムスッとしてるのね。
凧を手放さない木にムカつくチャーリー・ブラウンは、木のそばに立ち続けることを決意。翌日以降、チャーリー・ブラウンの友達が木のそばに立つチャーリー・ブラウンの元にやってきます。
漫画連載日 | 訪れるキャラクター |
---|---|
4月13日 | ヴァイオレット |
4月14日 | ルーシー |
4月16日 | パティ |
4月17日 | ルーシー |
4月18日 | ルーシー |
4月19日 | ルーシー |
4月20日 | シャーミー |
4月14日にチャーリー・ブラウンの元に訪れたルーシーは、「凧が木に引っかかったら、凧を怒鳴る」と言い放ちます。木に引っかったのは凧のせいで、凧をあげる人のせいではないってことのようです。

何だかんだ言って、ルーシーはチャーリー・ブラウンの所に1番多く通っていたんだね。
パティがやってきた4月16日には、「凧をあげると毎回木にひっかかる」と文句を言うチャーリー・ブラウン。『ピーナッツ』の連載では初めてでも、過去に何回も凧が木に引っかかっていたんですね。
今回の凧が引っかかった話の最後となる4月20日の天気は雨。レインコートを着たシャーミーが、相変わらず木のそばに立つチャーリー・ブラウンの元にやってきます。
ずぶ濡れのチャーリー・ブラウンを心配するシャーミーに「凧も濡れてる?」と質問します。「グショグショだよ」と答えるシャーミーに満面の笑みを浮かべるチャーリー・ブラウン。凧への復讐は終わったようです。

あれ?チャーリー・ブラウンは、木にムカついていたんじゃなかったっけ。

立ち続けてる間に「戻ってこない凧が悪い」って気持ちが変わったんだろうな。
凧食いの木へ反撃したチャーリー・ブラウンの悲劇

凧食いの木への反撃がきっかけとなり、チャーリー・ブラウンは家から逃げ出すことになってしまいます。
いつものように、凧食いの木へ自分の凧をひっかけてしまったチャーリー・ブラウン。「自分の凧をかじったら、かじり返す」と凧食いの木に宣言します。凧を食べられてしまったチャーリー・ブラウンは、凧食いの木をかじって反撃します。
チャーリー・ブラウンが凧食いの木をかじったイラストがこちら。
凧食いの木に歯型がくっきりついていますね。チャーリー・ブラウンの歯って木を嚙み切る程丈夫だったようです。

してやったりのチャーリー・ブラウンの表情がちょっと悪役っぽい。
後日、チャーリー・ブラウン宛に環境保護局から手紙が届きます。手紙にはチャーリー・ブラウンが木をかじったことが書かれていて、起訴されるかもしれないとのこと。
凧食いの木への仕返しでお尋ね者になってしまったチャーリー・ブラウン。
困ったチャーリー・ブラウンは、名弁護士のスヌーピーに相談します。スヌーピーは「チャーリー・ブラウンが取り乱してビーバーと間違えた」と裁判長に伝えればいいと考えます。

スヌーピーでも解決できそうにない問題だったみたいだね。
名弁護士への相談でも解決できないとわかったチャーリー・ブラウンは逃げ出すことに。
スヌーピーへのご飯の支度を妹のサリーに託し、荷物をまとめて逃げ出すチャーリー・ブラウン。逃げながらつぶやくイラストがこちら。
「人生がカメラなら、自分のはキャップをかぶったまま」なんて、深い言葉ですよね。チャーリー・ブラウンのカメラのキャップが、早く外れることを祈るばかりです。

チャーリー・ブラウンの格言のひとつね。
この後、凧食いの木をかじった証拠がなくなり、家に戻ることができたチャーリー・ブラウン。むやみに木をかじってはいけないという教訓ですね。

その後もチャーリー・ブラウンの凧は、凧食いの木に食べられちゃうんだよ。
凧だけじゃない?シュローダーの大切な物も食べる木

チャーリー・ブラウンの友人であるシュローダーの大切なピアノも、凧食いの木に食べられてしまいます。

凧だけじゃなくて、ピアノまで食べちゃうの?
1969年1月23日。ルーシーがシュローダーのピアノを木に投げ込んでしまったことから事件は始まります。
シュローダーを好きなルーシー。自分に振り向いてもらいたくて仕方がないルーシーは、ピアノを木に投げ込むという行動に。シュローダーのピアノを木に投げ込んでしまったとルーシーが話す漫画です。
お気に入りのピアノがないので、うつむくシュローダー。ルーシーがピアノを木に投げ込んだことがわかり、慌てて走り去ります。

大切なものが木に投げ込まれたなんて知ったら、誰でも慌てるよ。
投げ込まれた木を見て「信じられない」とつぶやくシュローダー。チャーリー・ブラウンが通りがかり、ピアノを木に投げ込まれたことを話します。
「この木なの?!」と驚くチャーリー・ブラウンに戸惑うシュローダー。それもそのはず。シュローダーのピアノが投げ込まれた木は、チャーリー・ブラウンの天敵とも言える凧食いの木だったのです。
凧食いの木とシュローダーに伝えると、「ムシャムシャ」という音が。凧食いの木は、ピアノまで食べてしまう、恐ろしい木だったようです。

この後、救助隊に変身したスヌーピーがピアノの救出に向かいますが、ピアノは食べつくされてしまうんです。

凧より先にピアノを食べていたら「ピアノ食いの木」って呼ばれたかも。
凧食いの木がスヌーピーの漫画に登場する理由

凧食いの木が登場するのは、スヌーピーの生みの親であるチャールズ・M・シュルツの体験が基になっているからです。
チャールズ・M・シュルツも子供の頃、友達と一緒に凧あげをしていました。そして、チャーリー・ブラウンと同じように、凧を木に引っかけたことがあったようです。
作者の経験を基に作られた凧食いの木は、今でも多くの人に共感されています。木に引っかかったドローンを見て、凧食いの木とつぶやく人がこちらです。
自宅のカエデに突然現れたドローン。その様子を見て凧食いの木を思い出したようです。凧食いの木(カエデ)は、ドローンも食べるようになったんですね。

見事に引っかかってる。ムシャムシャと食べる音が聞こえそう。
チャーリー・ブラウンの初凧あげは木に食べられなかった

凧あげをすると、凧食いの木に食べられてしまうチャーリー・ブラウン。連載での初凧あげは、意外にも成功していたんです。
凧あげするチャーリー・ブラウンと見守るパティの漫画です。
チャーリー・ブラウンが初めて凧あげしたのは1952年3月21日。
低空で凧を飛ばすチャーリー・ブラウンに理由をたずねるパティ。高く飛ばして飛行機に当たる心配をするチャーリー・ブラウンは、優しいというより心配性ですよね。
それにしても、超低空で凧を飛ばせるチャーリー・ブラウンの技術は見事です。

座ったままでも凧揚げできてて、凧糸が針金みたいに見えちゃう。
まとめ

スヌーピーの漫画『ピーナッツ』に登場する凧食いの木についてご紹介してきました。
凧食いの木は、チャーリー・ブラウンにとって天敵ともいえる存在。凧をあげても仕返ししても問題が起こってしまいます。
それでも凧あげを諦めないチャーリー・ブラウンを見ると、応援したくなっちゃいますね。
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。